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Spring Has Come

Spring Has Come

療育~現在の伊吹

ダウン症の良い点――と言っては妙かも知れないが――は、
染色体の検査で早期発見が出来るということである。
その分合併症の発見も早くでき、牽いては早期治療・早期療育が出来ることにもつながる。
伊吹は4ヶ月近くになっての診断で、決して早い方ではなかったが
幸い命に関わるような合併症は見られなかったので幸運だったと思う。

小児医療センターの遺伝科からスタートし、そこからDK外来(ダウン症の乳児とその親の為の講演会のようなもの)、
他病院の訓練、障害児療育施設へと、伊吹が通う場所は多種多様になっていった。

また、小児医療センターへの通院は、ずっと平行して続いている。
こちらでは遺伝科・耳鼻科・眼科・整形外科・歯科・栄養指導の他
その時その時の悩みや症状によって、新たに通う科が増えることもあるが
最近は上記の科のみで落ち着いている。

現在通っている障害児通園施設は、すみれ園という肢体不自由児施設である。

H学園は小児専門病院と養護施設が一緒になった所だ。
ここで伊吹は小児神経科と整形外科、それに訓練を受けている。
身体的なリハビリと、食事療法。
身体的にはぼちぼち発達している伊吹だが、食事は一番の泣き所。
あまりに食事面では悩みが多く、出口が見つからない状態だ。
現時点での伊吹の様子は、以下に詳しく述べる。
くまライン
4歳3ヶ月現在の記録

◎身体面について
4歳7ヶ月時の測定で、身長83.5cm 体重10.54kg
いわゆる普通の子の1歳8~9ヶ月程度の大きさである(母子手帳掲載の発育曲線調べ)。
甲状腺ホルモン異常も疑われたが、検査結果は陰性だった。
重篤な(つまり命に関わるような)合併症はなし。
ただし、内臓の軽度の奇形(食道から胃に向かうまでの道のカーブが普通より緩く、
水分を戻しやすい)あり。
 ※追記:4歳の誕生日以前から、水分を吐きやすい症状はほとんど治まった。
目は強度の近視と乱視。3歳7ヶ月、メガネの着用を開始。
鼻は鼻炎。こまめな耳鼻科通いは必須。
耳は滲出性中耳炎のため、3歳5ヶ月で中耳腔に水が溜まりにくくなる
「鼓膜チューブ」を入れた。
また、両耳の上側が折れたような形になっている(折れ耳)。
これによる聴力への支障はないが、
4歳8ヶ月、ABRの結果「中程度の難聴」と診断された。
→3ヶ月後、他の医療機関にてASSRの結果「異常なし」とのこと。
聴力については内耳の状態などで変化するので、今後も経過観察は必須である。
4歳8ヶ月、脳波検査により「てんかん」と診断される。
表立った症状は何も分からず。
抗けいれん剤、デパケンを服用中。
足は「両外反偏平足」のため、硬性の足底装具を付けている。
これがないと関節の弱い足に体重がかかり、立った姿勢や歩行の際に
身体に負担がかかるのだ。

◎知的面・意思表示について
何か対象物への指差しや、目で合図するなどの意思表示は出来ない。
自分が気分の乗る遊びの相手をしてくれたなどで、本人の機嫌が良くてその気があれば
相手の目をまっすぐに見て笑うことは多い。
しかし反対に、その気がないとあらぬ方向を向いて目を合わせようともしない。
 ※追記:4歳半頃から、自分の気に入った遊びを大人にやってもらえると
  「もっとやって」と言いたげに、大人の腕を引っ張る仕草などが見られるようになった。
  また、気に入らないことがあると泣くだけだったのが、同時期から唸り声を上げつつ
  首をイヤイヤと振ったりするなど、それなりに感情表現は豊かになりつつある。

2歳7ヶ月、療育手帳B(中度)を交付される。
3歳7ヶ月、療育手帳マルA(最重度)再交付される。

◎基本的生活習慣について
靴を履く真似、帽子やタオルを頭にかぶる真似などは時々している。
何事もまずは真似から始まると思うので、いつまでも見守ってやりたい。
排泄:数日に一度ぐらいは、オマルに座らせるとオシッコが出ることもある。
食事:完全に人任せだったのが、3歳後半頃より哺乳瓶を自分で持って
  飲むようになった。
  箸に触ることへの抵抗も薄れてきたようで、大人が持つ箸に手を添えて
  食物を口に運ぶことも時々ある。
  箸以外の道具では食物を一切受け付けなかったが、4歳0ヶ月過ぎから急に
  スプーンやフォークでも大丈夫になった。

◎言葉について
2歳前後の頃は、車を走らせる音「ブーブー」や
水を流す音「ジャージャー」もどきの言葉が出ていた気もするが、
近頃はほとんど聞くことがなくなった。
ただし、機嫌が良い時は意味不明であれど大きな声をよく出している。

◎食事について
これがずば抜けて悩みの種である。
言葉と同じく、恐らく2歳ごろまでにはいわゆる離乳後期あたりまで進み、
柔らかいご飯や煮物を小さく切ったものなどを食べさせていたのだが
恐らく風邪をひいてミルクしか受け付けなくなったのが始まりだった。
現在受け付けるものは、パスタ・ラーメン・そばといった麺類のみ。
うどんは何故か嫌がって食べないことが多い。
何故麺類かと言うと、チュルチュルとすすればお腹に入る食品なので、咀嚼する必要がない。
食べ物を上手に咀嚼することはダウン症者は大変苦手とすることらしく、
それなりの訓練が必要になってくる。
幼い頃は肉類を噛み千切って飲み込めていても、かなり大きくなってから
突然それが出来なくなった子がいると、知り合いから聞いている。

麺類のみで栄養を十分に摂取することは当然無理なので、
具として家族用のおかず(煮物や汁物)をミキサーでペースト状にし、
介護用のトロミ付けでプレーンヨーグルトぐらいのトロミを付け
麺と和えて食べさせている。
麺とうまい具合にからめていないと食べてくれない時がほとんどだが
機嫌がいいとペーストだけでも食べてくれる時もある。
或いは、大根や人参を細切りにして麺と一緒に口に入れると
騙されて食べる時も。
麺そのものを一部ペースト状にして、形があるままの麺と一緒に
口に入れるのも訓練の一つとして行っている。
つまり「騙し騙し」麺類以外の食感に慣れさせるしか、今のところ方法がない。
(食事について、以上、3歳5ヶ月時点)

4歳2ヶ月後半より、突如として普通の固さの米飯、野菜の煮物、炒り玉子などを
積極的に食べるようになる(機嫌が悪い時は別)。
直接的なきっかけは分からないが、長年の訓練や歯科指導などの賜物だろうと思う。
ただし、噛んで味わっているのではなく、丸呑み状態。
麺類中心の食生活だったので当然の結果とも言える。
咀嚼の訓練が今後の大きな課題である。
(食事について、以上、4歳3ヶ月時点)

水分は未だ哺乳瓶入りのフォローアップミルクが中心だが、くず湯程度にとろみを付けた白湯を
4歳半頃よりスプーンで飲めるようになった。
食事内容は、米飯(柔らかめに炊いたもの)・麺類中心。
そこに、ミキサーで具を細かく潰し、とろみを付けたおかず(煮物など)を混ぜて食べさせている。
以前は少しでも形の残っている具があると嫌だったが、現在は直径1cmぐらいの大きさでも平気。
平気とは言え、まだ半分ぐらいは丸呑み状態なのでなるべく小さく潰して与える必要あり。
甘いものは飲料・食物共に何も受け付けない。
(食事について、以上、4歳7ヶ月時点)

麺類中心の食生活に、ようやく終止符の兆しが見えてきた。
4歳9ヶ月現在、食事内容の主なものは
米飯・煮物中心のおかず(ご飯に乗せること多し)・
とろみを付けた汁物・ミルク100ccまたはそれ未満。
麺類は相変わらず嫌いではないが、なくとも平気なようだ。
おかずはミキサーで潰すレベルでなくとも、
包丁で細かく刻む程度で大丈夫。
甘いものを受け付けない点は変わらず。
(食事について、以上、4歳9ヶ月時点)

◎好きな遊び
・ボール遊び。上手にこちらにパスして寄越す。
・高い高い・くすぐられること・マッサージなど、身体を使った遊び
・絵本は自分で開いて絵を眺めることが出来る。
・積み木などは2歳前後は二つのものを積み重ねることをしていたが
 3歳5ヶ月頃~現時点は、周囲に投げて遊ぶことが中心。
 時々、それらおもちゃを手に取って眺めているような様子も見られる。
 おもちゃ箱に出したり入れたりも好き。
・ピアノの鍵盤やPCのキーボードに興味あり。
 音を楽しんでいるのか、大人の真似をしているのか、或いは両方か。
・コンビカー(乗用玩具)にまたがり、上手に床を蹴って前に進めるようになった。
 コンビカーは家にもあるのだが、廊下が短く狭いせいか乗りたがらず(泣)、
 S園で積極的に乗って遊んでいる。
・4歳半頃より、おもちゃ=投げて遊ぶだけでなく
 自分の顎に打ち当てて感触を確かめるような行動が多くなった。
 顎にコンコン・・・と何度もぶつけては放り投げる、の繰り返し。
 4歳9ヶ月頃より、顎だけでなく、頭頂部や側頭部にも当てるようになった。
 伊吹にとっては、感触を確かめる身体の部位は、手や目などの器官が中心ではなく
 「顔や頭の骨部分(=骨伝導?!)」らしい。

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